Snow Love. ~大好きなキミへ~
翌日。
陽が沈み始め、濃いオレンジ色に染まった帰り道をひとり歩いていた時のこと。
「なぁ」
肩をグイッと引かれたと思ったら、耳元で響いた低い声。
私の体が分かりやすくビクッと震えた。
……な、なに……? 誰?
……怖いよ。
全身に鳥肌がたってきて、感じたことのない恐怖に私の体がガタガタと揺れる。
もうダメだ……。
そう思って、ギュッと目に力を入れて大きな声で助けを呼ぼうとした時。
「ちょ、おい!俺!俺だって!」
焦ったような、動揺したような、そんな声が私の耳に聞こえてきた。
「……え?」
「俺!聖也だって!陽乃に用事があったから帰り道つかまえたのに、陽乃すげービビってんだもん」
「……怖かったもん。どこか連れ去られちゃうのかと思って、助け呼ぼうとしてた」
「いや、俺もう少しで犯罪者じゃん!あっぶねー」
私の肩を引いたのは、橋本くんだった。