Snow Love. ~大好きなキミへ~
俯いていた顔を上げると、彼の焦げ茶の瞳が私をまっすぐにとらえていた。
「俺、陽乃に聞きたいことがある」
「ん?」
「今日は、これ聞くために陽乃のことつかまえたから」
「あ……」
そうだった。
橋本くん、なにか私に用事があるって言ってたような気がする。
「なに?」
私がそう聞き返すと、橋本くんは少し言いにくそうに視線を斜め下に逸らした。
「……陽乃にとっては、俺に知ってほしくなかったことだと思う。でも俺、どうしても気になってしょうがない。だから聞く」
「ん?」
「お前のお母さん……亡くなってんの?」
「え……」
「事故で亡くなって、お前、今お母さんの夢見てるって……本当なのか?」
今まで温かな気持ちで包まれていた私の心が、一気に冷めていくような気がした。