Snow Love. ~大好きなキミへ~
私、昨日の放課後は教室で光莉ちゃんと愛花ちゃんに話聞いてもらってて……。
「全部、聞いたの……?」
「………ごめん。聞くつもりは全くなかったんだよ。でも、聞いたものは聞いたに変わりないよな。ごめん」
「……そっか」
目の前で、橋本くんは本当に申し訳なさそうに目を伏せた。
確かに私の喉から出ている声なのに、声がかすれていて自分の声だと分からない。
体の底の方からグーッと涙がこみ上げてきて、私の目尻にうっすらとまくを張っていく。
「全部、本当のことだよ……」
私は小さく呟いた。
「お母さんを事故に巻き込んじゃったことも、今、お母さんの夢を見てるのも…」
「……ん」
「ぜーんぶ、本当の話。最低でしょ?私。お母さんの命を奪っちゃったくせに、嫌われても当然なくせに。怖いんだ………」
今にも溢れてきそうな涙を必死にこらえながら、私は笑う。
「あー、私、なに弱気になってるんだろうね。こんな重い話してごめんね………って、え………?」
橋本くんに余計な心配をかけないように笑ったつもりだったのに、いつの間にか私の視界から彼は消えていて。