Snow Love. ~大好きなキミへ~
その温かな言葉が心に大きく響いて、私の頬を大粒の雫が伝う。
「それに、陽乃は最低なんかじゃない。そうやってお母さんに負い目とか罪悪感を感じて、“ごめんなさい”って思ってるってことは、陽乃は今でもお母さんを大切に思ってるってことにもつながらない?」
「……っ、う……っ」
「俺はそう思うけどなぁ。それに陽乃、毎日頑張ってんじゃん。いろんなこと全力でして、友達も恋も、家族も大切にして。一生懸命、笑顔ふりまいて生きてんじゃん」
橋本くんの制服のシャツにグッと顔を押しつけて、私はまた涙を流す。
そんな私を落ちつけるように、ゆっくりと背中をさすってくれる橋本くん。
その優しさが無性に心地よくて、私は橋本くんの背中にしがみつくように腕をまわす。
一瞬、戸惑ったように固まった橋本くんだったけど、何も言わずにそのまま深く私を包み込んでくれた。