Snow Love. ~大好きなキミへ~


その日の夜。


『……っ、く……っう……っ』


私はまたいつもの夢を見た。


………ただ、ひとつだけ違うことがある。


お母さんの声が、ひとつひとつ、少し少しだけど、確実に聞こえるようになってきたこと。


『うぅ……っ、ごめんね……』


夢の中のお母さんは、確かにそう言った。


……ごめんね?


その言葉を聞いて、私の頭にある疑問が浮かぶ。


……お母さんは、何に対して謝ってるんだろう。


誰に向かって、謝罪の言葉を述べてるの?


『ごめんね……っ、陽乃…、梨乃……っ』


お母さんがそう言った瞬間、私の体が急激に冷やされたように凍りついた。


夢の中での出来事なのに、その言葉やその光景がやけにリアルで。


お母さんは、私と梨乃に対して謝ってるの……?


だとしたら、なんで?


私は頭をできる限り精一杯働かせるけど、全く理由が見つからない。


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