Snow Love. ~大好きなキミへ~
だって……だって。
その写真を見つめるお母さんの瞳が、あまりにもまっすぐで優しくて。
それでいて……切なくて。
理由も分からないまま、私の胸がぎゅーっと締めつけられた。
『……ごめんなさいね。ふたりを、よろしくお願いします……』
お母さんの頬に一粒、二粒と雫が流れて、床にポツポツと染み込まれていく。
“ふたりを、よろしくお願いします”
まるで、自分がどこか遠くに行っちゃうような言い方。
もし“あの時”、お母さんが助かっていたなら、生きていたなら。
今の私たち家族は、どうなっていたんだろう。
痛む心でそんなことを考えていると、写真をジッと見つめていたお母さんがゆっくりまぶたを閉じた。
『え……?』
私の心臓の音が、不規則な音を刻む。
見たらいけないものを見てしまったような気がして、途端に目を逸らしたくなった。
だけど、逸らせなかった。
だって、お母さんの“想い”が見えたから。
お母さんのお父さんを想う愛が、私の瞳にはっきりと映ったんだ。