Snow Love. ~大好きなキミへ~
……そう。
お母さんはまぶたを閉じた後、写真を自分の唇に近づけ、そっと触れるように口付けた。
………そして、静かに泣きながらその写真を胸に抱く。
まるで、大切なものを包み込むように、愛する人をその腕に抱きしめるように。
『私はずっと、あなたが大好きです……』
震える声でそう言ったお母さん。
私の目の錯覚なのかな。
一瞬、ほんの一瞬だけ、お母さんがお母さんじゃなくて、たったひとりの恋をする女性に見えた。
お母さんは右手の指で涙を拭うと、写真をそっと化粧台の上に戻し、ベッドのそばへ歩み寄る。
手を伸ばしたのは、枕の下。
………え? なに、あれ……。
枕の下から出てきたのは、一冊の分厚いアルバム。