Snow Love. ~大好きなキミへ~


タイトルのところに文字が書いてあったけど、遠くからだったから上手く見えなかった。


そんなアルバムをぼんやり眺めていると、お母さんがアルバムを本棚の一番奥にしまう。


………?


その行動に、私は変な違和感を覚えた。


夢の中の私はお母さんに、そしてその本棚に、一歩一歩近づく。


もう少し、もう少し。


あ、もう届く。


そう思って精一杯、本棚に向かって手を差し出したその時。


急に体がふわっと浮かんで、まぶたが自分の意思と関係なく閉じた。


そして────。


「……っ、はぁ」


重苦しいまぶたを開くと、そこはもう自分の部屋で。


毎朝見る光景が、目線の先には広がっていた。


< 280 / 353 >

この作品をシェア

pagetop