Snow Love. ~大好きなキミへ~
思わず、梨乃の髪の毛を撫でていた私の手がピタリと止まった。
私の顔から笑みが消える。
心臓をキュッと鷲掴みされたような感覚に陥った。
「………ん……お姉ちゃん…?」
「梨乃………ごめんね…」
これは、何に対する“ごめんね”だったんだろう。
気付けば、私の意志とは関係なく、勝手に言葉がでていた。
「いいよ。梨乃、お腹空いたじゃん。お姉ちゃんが帰ってくるまで待ってたんだけど……寝ちゃってたみたい」
そう言っておどけたように笑う梨乃。
「………うん。学校でちょっと先生に怒られちゃってね。帰ったら、こんな時間になってた」