Snow Love. ~大好きなキミへ~
気づけば私は隠れていた場所から飛びだしていて、白瀬くんに向かって力いっぱいスクールバックを投げつけていた。
「あんた、最低だよ!」
「………ってぇ、なにすんだよ」
「こっちの台詞だ、バカ!」
「……はぁ!?バカ?」
こんなに感情的になったのは初めてのことで、自分でも自分がどうなっているのか分からない。
ただ、悔しかった。
愛花ちゃんの気持ちを汚したことが、愛花ちゃんの想いを傷つけたことが。
「愛花ちゃんのこと、なんにも知らないくせに。勝手なこと言わないで!」
「そいつだって、俺のことなにも知らないくせに、好きなんてバカじゃない?」
「うるさい!」
私は閉じていた拳を、もう一度グーッと握りしめる。