Snow Love. ~大好きなキミへ~
電車を降りると、私と同じ制服に身を包んだ生徒がちらほらと顔を出す。
駅を出てから歩くこと1分。
ほら、すぐ左手側に、もう見慣れた大きな建物が姿を表した。
私は校門の前で少しだけ白色のマフラーをゆるめると、小さくひとつ息を吐く。
私の吐いた息は白く白く染まり、あっという間にふわっと消えた。
………冬は嫌いだ。大嫌い。
だって、寒いの苦手なんだもん。
それに……冬には、いい思い出がひとつもないから。
冬は、悲しい季節だから。
私は寒さに凍える体を自分でさすって温めながら、一歩一歩教室へと向かった。