Snow Love. ~大好きなキミへ~


「もう、お姉ちゃんバカだね。あ、パパが、今日も残業するから夜遅いって言ってたよ」

「うん、分かった。じゃあ私、お昼ご飯作ってくるからね。ちょっと待っててね」


私は梨乃から逃げるように、足早にキッチンへと足を向けた。


お気に入りのピンクの水玉のエプロンを身に付けると、冷蔵庫から材料を取り出し、慣れた手つきで料理を始める。


料理をしていると、チラチラと視界に入ってくる梨乃の横顔。


赤いランドセルを開いて何か冊子のようなものを取り出したから、きっと勉強でもするんだろう。


………私もやらなきゃ。15枚のプリントと反省文。


でもそれより先に、早くお昼ご飯を作らなきゃ。


梨乃がお腹空かせてるしね。


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