Snow Love. ~大好きなキミへ~


お父さんはそのアルバムを見た瞬間、目を大きく見開いた。


「どうしてお前が……」

「ごめんなさい……。勝手に部屋に入ったりして……」

「中、見たのか……?」


明らかに動揺しているお父さんが、私の手からアルバムを取った。


やっぱり見られちゃいけないものだったんだ……。


そう思うと同時に、ある疑問が頭の中をよぎる。


私に見られたくないものだったとしたら、どうしてお母さんはこのアルバムの場所を私に教えてくれたの?


「中は、見てない。でもね、そのアルバムの位置、お母さんが教えてくれたんだ……」

「え……日向子が?」

「………私、ずっと前からお母さんの夢見てたの。薄暗い部屋の隅で、神様に何かをお願いするようにずっと泣いてた。お母さん、“ごめんなさい”って、泣きながら私たちに謝ってた」


頭の片隅にお母さんの小さな背中が思い浮かんで、胸がズキッと痛んだ。


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