Snow Love. ~大好きなキミへ~
お父さんはアルバムを愛しそうに抱きかかえて、人差し指でタイトルをなぞると、
「そういうことか……」
と小さく微笑む。
意味深なその言葉に、例えようのない緊張が体中を走った。
「……陽乃、梨乃。そこに座りなさい。お前たちに言わなきゃいけないことがあるんだ」
真剣な顔で私たちにそう告げたお父さん。
梨乃は私の隣にくると、不安げな顔で私を見つめて、私の服の裾をきゅっと握った。
「梨乃、大丈夫だよ」
そう一言梨乃に声をかけてから、私もその場に腰を下ろす。
「何から話そうかな。お前たちには言っておかなきゃならないことがたくさんあるからな……」
お父さんはゆっくりとまぶたを伏せる。
「まず、陽乃。父さん、お前に謝らなきゃいけないことがあるんだ」
「え……?」
「日向子が、お前らの母さんが死んでからずっと、陽乃に負担をかけてきたよな。朝ご飯も晩ご飯も、家事は全部お前に任せっきり」
「そんなこと、当たり前だよ。お父さんは仕事頑張ってくれてたじゃん」
「でもな、陽乃。父さんが謝りたいのは、陽乃の心についた傷のことだよ。陽乃のことだから、母さんのこと、自分に負い目を感じてずっと泣いてたんじゃないのか?」
私の胸がグッと押しつぶされて、涙がポロポロとこぼれ落ちる。