Snow Love. ~大好きなキミへ~


だって、お父さんの言う通りだったから。


お母さんを死なせてしまった自分を痛めて痛めて、何度も責めた。


私があの時、石を拾いに行かなかったら、時間が1分でもずれてたら。


お母さんは、今も私たちの隣で生きてたかもしれないのに……って。


何度も泣いては、みんなに涙がバレないように無理して笑ってた。


それが苦しくて、つらくて。


だから、“死んじゃおうかな”って思ったことだってあったんだよ。


「うぅ……」


泣き始めた私の手を、お父さんの大きな手が力強く包み込む。


「陽乃、今から父さんが言うことは全部本当のことだ。梨乃も、よく聞け」


ほんの一瞬だけ、お父さんの瞳の奥が揺らいだような気がした。


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