Snow Love. ~大好きなキミへ~


「母さんは……末期ガンだったんだ。もう、そんなに長くはなかった」

「……え?」

「そのアルバムを開いてみなさい。母さんが生きた証や、生きた日々が、全部残されてる」


今、きっと私の頭は真っ白。


そしてそれは隣にいる梨乃も同じだろう。


いくらまだ小学生だからといって、ガンを知らないわけじゃないと思う。


でも……待ってよ。


お母さんが、末期のガンだった……?


私は震える手でアルバムを自分の方へ引き寄せると、1ページ目をめくった。


そこには、お母さんが残したであろうたくさんの言葉と、たくさんの写真。


《陽乃がこの世界に誕生。

   太陽のような温かい子に

         育ちますように》


《梨乃が生まれました。

  愛嬌があって誰からも愛される

     素直な子に育ちますように》


《陽乃と梨乃。ふたりとも

     すくすく育ってくれて

         ママは嬉しいです》


《母の日だからと、

   陽乃がプレゼントをくれました》


《ぎゅっと抱きしめると

  “ママ大好き”と言ってくれた陽乃。

   梨乃も早くママと言ってね。

    ママもふたりが大好きです》


ページをめくっていくごとに写真の中の私と梨乃が大きくなっていて、それが余計に切なかった。


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