Snow Love. ~大好きなキミへ~


そしてアルバムの最後の写真。


《みんなで撮った家族写真。

  この子たちが大きくなる姿を

    そばで見守ってあげたかった》


この3行のメッセージが私の胸にグッと響いてきて、自然に涙が溢れた。


写真の中の私は今よりずっと幼くて、梨乃だってまだ赤ちゃんで。


それが、“お母さんが生きていた時間”を物語っているようで、また別の涙が私の頬を流れ落ちる。


────コトン。


アルバムを持ち上げた時、何かが私の足先に触れた。


「……お姉ちゃん」


梨乃が“それ”を拾い上げ、大声で泣き始める。


それは───。


『ママの大切な宝物へ』


と示された、最初で最後のお母さんからの手紙。


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