Snow Love. ~大好きなキミへ~
いつだって、“お姉ちゃん大好き”って屈託のない笑顔を向けてくれていたのに。
「あ、お姉ちゃん泣き虫さんだ」
「……っ、梨乃だって……」
「あはっ、お姉ちゃん、泣かないで?」
「泣いて、ないもん……っ」
梨乃の小さな指が、私の涙を拭う。
こうしていると、どっちがお姉さんなのか分からないね。
知らない間に、ちゃんとお姉さんになってたんだね……。
「さぁ、ふたりとも、飾りつけを済ませよう。サンタさんがこなくなっちゃっても知らないぞ?」
立ち上がったお父さんが、この雰囲気を明るくするように手をパンパンと叩いた。
「え、やだ!梨乃、サンタさんにお願いしたいことあるのにー!ねぇ、早く飾ろうよ!」
それにつられるように、梨乃が慌てて立ち上がる。
「ふふっ」
そんな梨乃に思わず笑みがこぼれた。
やっぱりまだまだ子供だね。
お父さんをそっと見上げると、お父さんはそんな私に気付いたのか、ゆっくりと一回だけ頷く。
頂点にたった大きなお星さまは、私たち家族の始まりを優しく照らすようにキラキラと輝いていた。