Snow Love. ~大好きなキミへ~
俺は、俺は……。
「俺は、いつだって百合のことを……」
そこまで言って、俺は喉に言葉を詰まらせた。
……くそっ、どうしてだよ。
どうして、“百合だけを見てきた”って、その一言が言えないんだよ。
そんな自分に無性にイライラして、俺は拳をきつく握りしめる。
「ねぇ、優ちゃん。本当は、もう分かってるんじゃないの?自分の中にある、本当の気持ちに」
「俺は……」
「気付いてるんじゃないの?自分の好きな人が、本当は誰なのか……」
「……っ、違う!俺は……俺は、百合が……」
「嘘、つかないでよ。だって今、言えないじゃん。“百合が好き”って、優ちゃん、堂々と言えないじゃん」
俺から目を逸らして逃げることなく、泣きながら一生懸命話す百合。