Snow Love. ~大好きなキミへ~
俺は集団の群れから抜け出すと、大好きなあの子を捜した。
だけど、なかなか見つからない。
………そうだ。
あいつ、めちゃくちゃ小さいんじゃん。
そりゃ普通に捜したって、この人だかりの中、見つかるわけないよな。
……よし、決めた。
今は恥ずかしがってる場合じゃない。
俺はその場でひとつ小さく息を吐くと、できる限り大きな声で叫んだ。
「陽乃ー!!!」
その瞬間、周りにいた何百人もの人が一斉にこっちを向く。
そして辺りを見回すと……あ、いた。
真っ赤に頬を染めた小さなあの子が、恥ずかしそうに俺を見つめていた。