Snow Love. ~大好きなキミへ~
でも急に静かになったかと思ったら、さっきよりももっと明るい声が私の耳に飛び込んできた。
「それから……ママも待ってるよ」
「…………うん」
私が発したのはこの2文字だけ。
梨乃は私の返事を聞いた後、トコトコとリビングへとつながる階段を降りていった。
梨乃から“ママ”という言葉を聞いた瞬間、また私は自分の過ちを後悔することになるんだ。
梨乃の心が、泣いてるような気がした。
このまま今日は部屋を出たくないと思っていた私だけど、さすがにお父さんの言葉を無視することはできない。
重たい足を引きずりながら、私は部屋を後にした。