Snow Love. ~大好きなキミへ~


リビングは、10人くらいの人で溢れかえっていた。


いつもは広く感じる空間も、こんなに人が集まれば、すごく狭く思える。


「お、陽乃」


どこからか聞こえてきた、低い男性の声。


お父さんが私に気付いたらしく、優しく微笑む。


そのしゃがれた声で”陽乃“と呼ばれるのが、とても懐かしく感じた。


「あ!……………おばぁちゃん、陽乃お姉ちゃんだよ!」


梨乃が、お母さんの方のおばぁちゃんを連れて、私の方へと向かってくる。


おばぁちゃんと会うのは、小学生以来だろうか。


中学生の頃は、部活動や委員会活動が忙しくて、全然会えていなかったから。





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