Snow Love. ~大好きなキミへ~
「…………」
さっきまでバカみたいにはしゃいでいた梨乃が、急に黙りこんでしまった。
「梨乃………?」
私が呼びかけてみても、反応がない。
明るかった雰囲気が、一瞬にして暗く静まり返った。
「ママ………」
この静かな部屋に響いた2文字の言葉。
目線を斜め上に向けた梨乃は………泣いていた。
大きな瞳にたくさんの涙を溜め、拳は何かに耐えるようにぎゅっと固く握られている。
「………会いたい」
その場に崩れ落ちるようにしゃがみこんだ梨乃は、震える声で懸命に言葉を絞り出す。
「ママに……会いたいよ………っ」
「………っ。り…の………」
心臓が握りつぶされたように痛い。