Snow Love. ~大好きなキミへ~
早くここから逃げちゃいたいけど、ブレザーかけてもらったままだし、何より助けてもらった相手から逃げるって………
うん、最低だよね。
「なぁ」
考え事をしていると、隣から声をかけられた。
「はい………?」
「お前の名前は?」
「え?」
「だからさ、俺の名前は教えただろ?お前の名前も教えろよ」
キラキラとした瞳を向けてくる先輩。
その純粋な瞳から、私は目を逸らせなかった。
「田中陽乃……です」
少し俯きがちに、自分の名前を口にする私。
先輩は私の名前を聞いたあと、ゆっくりと目を細めた。
「いい名前だな。よく似合ってて、可愛い」
「……ありがとうございます………」