Snow Love. ~大好きなキミへ~
6歳の過ちー私の過去ー
あれは今からちょうど10年前のこと。
『陽乃ー。ご飯できたわよー』
庭でなわとびをして遊んでいた私の耳に、大好きなお母さんの声が聞こえてくる。
『はぁーい』
まだ6歳だった私は、その呼びかけに大きな声で返事をした。
確かこの日も……真っ白な粉雪が、パラつくように降っていた。
『今日のお昼ご飯はなぁに?』
『今日はねぇ、お母さん特性の、きのこクリームパスタよ』
『やった!陽乃、お母さんの作るお料理ぜーんぶ好き!』
そう。私は、お母さんの作る料理が大好きだった。
とても優しくて、美味しい味。
そして………
『ん。やっぱり美味しい!お母さんのご飯!』
この日のお昼に食べたクリームパスタが、私が食べる最後のお母さんのご飯になるなんて……この時の私は思いもしなかったんだ。