Snow Love. ~大好きなキミへ~


『お母さん!雪がいっぱい積もってるから、雪で遊んできていいー?』


窓から小さな体を懸命に乗りだして、庭に降り積もった雪をにこにこと眺める私。


『まだ雪、降ってるんでしょ?気をつけなさいよ。陽乃はよく転ぶんだから』

『もうお姉ちゃんだから転ばないよ!
じゃあ、行ってきまーす!』


私は窓をカラカラと閉めてから、一度だけお母さんの方を向く。


だけどお母さんは梨乃のご飯を食べさせるのに忙しそうで、ずっと梨乃の方を見ていて私には気付いていないみたいだ。


いつもは外に遊びに行く前に必ず、お母さんと”行ってきます“のハイタッチをするんだけど………


今日は忙しそうだし、まぁいっか。


そう自分の中で解釈してから、私はスキップをして玄関へと向かった。


そして玄関の棚に置いてあったピンクのマフラーと、お気に入りのキャラクターが描かれた手袋を身にまとうと、私はうきうきした気分で家を飛び出した。


< 66 / 353 >

この作品をシェア

pagetop