Snow Love. ~大好きなキミへ~
『お母さん!雪がいっぱい積もってるから、雪で遊んできていいー?』
窓から小さな体を懸命に乗りだして、庭に降り積もった雪をにこにこと眺める私。
『まだ雪、降ってるんでしょ?気をつけなさいよ。陽乃はよく転ぶんだから』
『もうお姉ちゃんだから転ばないよ!
じゃあ、行ってきまーす!』
私は窓をカラカラと閉めてから、一度だけお母さんの方を向く。
だけどお母さんは梨乃のご飯を食べさせるのに忙しそうで、ずっと梨乃の方を見ていて私には気付いていないみたいだ。
いつもは外に遊びに行く前に必ず、お母さんと”行ってきます“のハイタッチをするんだけど………
今日は忙しそうだし、まぁいっか。
そう自分の中で解釈してから、私はスキップをして玄関へと向かった。
そして玄関の棚に置いてあったピンクのマフラーと、お気に入りのキャラクターが描かれた手袋を身にまとうと、私はうきうきした気分で家を飛び出した。