Snow Love. ~大好きなキミへ~


『お母さーん!』


私はリビングの窓に向かって、できるだけ大きな声で叫んだ。


それから少し遅れて………


『はぁーい』


姿は見えないけど、お母さんのやわらかくて優しい声が返ってくる。


私は少し興奮気味に早口で言葉を紡いだ。


『あのね、陽乃、雪だるま作ったよ!だからねお母さん、お庭に出てきて!』

『ちょっと待っててー。梨乃がまた寝ちゃってるから、お布団に寝かせてから行くね』

『うん!早く早く!』


とにかく早く見せたかった。


一生懸命、雪を集めて救って作った私の雪だるまを見て、”陽乃、上手だね“って褒めてほしかった。


私がいつも何かを頑張ると、ぎゅーって抱きしめてくれるお母さん。


ふわふわとした優しげな顔で、頭をポンポンしてくれるお母さん。





< 69 / 353 >

この作品をシェア

pagetop