Snow Love. ~大好きなキミへ~
『陽乃!』
………確かに私の耳に届いた、お母さんの叫び声。
そして、その叫び声のすぐ後に聞こえたのは……耳をつんざくような、
“キィーーーーーッ!!!”
という車のブレーキ音。
私の体は、飛ばされた。………お母さんの手によって。
『………お、か、さん……?』
擦りむいた膝と肘がジンジンと痺れるように痛む。
雪の上に飛ばされた私の体は、冷たさに包まれていた。
でも、そんなのおかまいなしに、私は目の前の状況を理解するのに精一杯だった。
幼い私の目の前には……大量に深紅の血を流す、お母さんらしき人。
顔が真っ赤に染まってて………よく分からない。
そして血まみれで横たわるお母さんの隣には、見上げるほどに大きなトラック。