Snow Love. ~大好きなキミへ~
私は足を止めて、後ろに振り返る。
胸元まである髪の毛が、くるんと風に揺れた。
「やっぱり……家まで送っていくよ」
そう言うと、優くんは早足で私の方に向かってきて、隣に並んだ。
「え……あ、いいよ…。ひとりで帰れるし…。そ、それに、私の家ここからすごく近いからさ!だから大丈夫!」
今までずっと優くんの時間を私が潰しちゃってたんだから、もうこれ以上迷惑をかけるわけにはいかない。
そう思ったから、断ろうとしたのに…。
「迷惑とか思わなくていいから。俺が好きでやってるわけだし。それに俺のブレザー。ずっと陽乃が羽織ったまんまじゃん?」
「……え?………あぁ!」
ポカンとしながら、自分の服装に目を移すと─…。
なんともいえないような格好をしている自分がいた。