Snow Love. ~大好きなキミへ~


「陽乃ー!おはよう」

「あ、光莉ちゃん、愛花ちゃん」


次の日の朝。


私が教室に入ると、相変わらずの笑顔でこっちへと走ってくるふたり。


その姿を見ていると、やっぱり心が少し楽になる。


昨日はあれから、結局優くんに家まで送ってもらった。


大事な日に勝手に家を飛び出してきちゃったから、お父さんに怒られると思っていたのに、そんな心配はなかった。


“おかえり”


ただ一言そう呟いて、私の全てを包み込むように笑ってくれた。


梨乃だって、いつもと同じように笑ってくれた。


あの屈託のない笑顔で言ってくれたんだ。


”お姉ちゃん“って。


いつもならつらくなる言葉なのに、この時ばかりは、この“お姉ちゃん”という言葉に助けられた。


その理由は、きっと…─。


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