【完】君ノート





〔君影草は恋する人を想って、うつむきかげんに影から見つめる女性の姿がすずらんに似ていることから名づけられたんだって!〕




長文でしっかりと君影草の説明をする花音の文字。


すごく物知りだなって思った。




「すげーな!そんなこと知ってるんだ!!」




〔おばあちゃんが、教えてくれたの〕




ニコッと嬉しそうに笑う様子から、花音はおばあちゃんが大好きなんだって分かる。




「そっか。……君影草か」




すずらんに似てる花音も、


誰かに恋してひっそりと、誰かのことを想うのだろうか…。




そんなことを考えると、心臓辺りがドクンと嫌な音をたてた。




なんか…それは嫌だ。



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