【完】君ノート
俺はそのノートにあることを書く。
それは、ケータイのメアドと番号。
書き終えると、花音にノートを手渡した。
「夏休み、それでいつでも連絡して?
俺のアドレスと番号だから!」
俺の言葉に、花音は少し戸惑った表情を見せ、ノートになにかを書き出した。
〔ごめん…。私、ケータイ持ってない〕
まさかの言葉が返ってきた。
本当に申し訳なさそうな顔をして、花音は謝っている。
「そっか…。
じゃあ仕方ないな!でも、それ持ってて?
花音がいつか声が出たとき、家電でも話せるだろ?
俺はいつでも暇人だから、連絡して!」
そう言うと〝分かった〟とでも言うように、嬉しそうに頷いてくれた。
夏休み話せないのは残念だけど、
花音と会って話す方が、ずっといいもんな。
しばらくの我慢だ。
俺!!