【完】君ノート
「まぁ…なにもお出しすることが出来なくてごめんなさいね。
ちょっと待っててください。今、お茶を準備してきます…」
おばあちゃんは布団から立ち上がろうとした。
私は急いでその行動を止める。
「あ!そんなの気にしないでください!
それより、花音のためにも早く体調をよくしてください」
優くんも立ち上がって、私たちのもとまで来た。
「ごめんなさいね?
花音ちゃん、なにかお出ししてあげて?」
おばあちゃんが私にそう言ってきたから、私はコクンと頷いて立ち上がった。
でもそれは、優くんの言葉によって止められる。
「あっ。花音、大丈夫だよ。
おばあさんも目を覚ましたし、俺はそろそろ帰るね」
…もしかして最初から、
私が不安にならないように、おばあちゃんが起きるまでそばにいてくれたのかな。