【完】君ノート
見上げた優くんは、真っ直ぐ前を見ながら言った。
「でも、俺を頼ってくれてありがとう。
こんな状況だったけどさ。
夏休みは花音に会えないと思ってたから嬉しかったよ。
やっぱ花音と話すのは楽しいわ。
いい写真もゲットできたし♪」
くくっと思い出し笑いをしてる優くん。
でも、怒る気になんてなれなかった。
だって優くんは、私と会えて嬉しかったって言ってくれたもん。
むしろその無邪気な笑い方が、可愛いと思えてしまう。
「んじゃ!そろそろ行くわ!!」
優くんは笑って、少しだけ走り出した。
優くんによって作り出された風が私の横を通り過ぎ、2人の髪を揺らす。
そのとき、思ったんだ。