【完】君ノート
始業式では、相変わらずの校長先生の長話。
周りに真面目に聞いている生徒なんて、あんまりいなくて。
ひっそり内緒話をして笑ってたり、昨日のテレビ番組の話をしてる人もいる。
ごめんなさい。先生。
私も真面目にお話を聞きません。
そう心で、長話してる先生に謝りながら、ちょっとだけ罪悪感を感じつつも、後ろを振り返った。
こうするとね。
私は全校生徒の中から、ある人を見つけることができる。
まるで私の目は引き寄せられるかのように、その人を映す。
見つけた。
優くん。