【完】君ノート
ガヤガヤとうるさくなる体育館の中だったけど、
私はクラスに帰るときも、優くんの姿を探してしまう。
少しでも話せたらなって。
ノートはないけど、優くんと話すことがなんとなくできる気がする。
私の気持ちを分かってくれた優くんだもん。
「あははっ!三浦ってば、バカすぎ!」
三浦。
その単語に反応する。
優くんの苗字。
私は声がする方を見た。
けれどそれは、あまり見たくない光景で。
優くんが美人な女子生徒と話しながら帰っていく姿が見えてしまって。