【完】君ノート
「なんで避けんの?
なんで、泣いてんの?」
言えない。
たとえ、声が出たとしても言えない。
「俺のこと、嫌い?」
沢田くんの声が耳もとで聞こえてきた。
嫌いじゃないよ。
嫌いなんかじゃない…。
私は首を横に振った。
「じゃあ、避けんなよ」
そう言って、私の肩を掴み私の目をまっすぐに見つめる沢田くん。
ごめんなさい。
神様、やっぱり私は、
嫌いなんていう嘘はつけません。
沢田くんは優しい人。
私を支えてくれる人。
だから……友達になりたい。
それは欲張りですか?
「俺は、お前のこと……好きだよ」
……神様。
友達になることは……難しいですか?