【完】君ノート
「優ー?お前、大丈夫かよ?
体育祭、明日だぞ?」
机にだらーっとしている俺に、涼太がそんなことを言ってきた。
まじか、明日か……。
あれから俺は、実行委員のない日は空き教室に行った。
でも、花音の姿はなかった。
ピアノを弾くことをやめてしまったんじゃないかって、
そんな不安がよぎったが、それは大丈夫だった。
俺が実行委員で集まりがあった日、
涼太がまた先生に捕まって、草むしりしてたときに、
空き教室からピアノの音が聴こえたって言っていた。
だから、花音はピアノを弾いている。
だけど、俺を避けているのか分からないけど、
実行委員がない日は、花音はあの教室にいなかった。