【完】君ノート
「なんでそんな驚いてんのよ?
ずっと前から好きなんですけど?」
拗ねた口調で俺に言う佐倉。
嘘だろ?
佐倉が……俺を?
あり得ない。
俺のどこが好きなんだよ!?
「三浦は覚えてないかもしれないけど、私、中学の頃、三浦の優しさに救われた。
んで、いつからか好きになってた」
照れ臭そうに、頬を赤く染め言う彼女はやっぱ佐倉で。
なんかちょっと別人みたいだ。
こんな顔もするんだって思った。
でも……。
いつから好き?って言われたら、答えられない。
出会った瞬間かもしれないし、
もしかしたら、楽しそうにピアノを弾いている姿を見てからかもしんない。
どこが好き?って聞かれても、
顔もかわいいし、好き。
行動とか、守ってやりたくなるくらいドジだし。
泣き虫だし……。
なんか、全部好きってなっちまう。
そう。
俺は……。
まだ花音のことが好きなんだ。