【完】君ノート
そもそも、優くんが空き教室に来たことに驚いた。
だって、優くんは実行委員に行ってると思ってたから。
でも、優くんは私のもとへ来た。
『花音に、会いに来た』
まっすぐに私を見てそう言った君に、私はまっすぐに向き合えなかった。
さくら先輩に言われたこと。
沢田くんの気持ち。
そして、自分の中の想い。
全てが分からなくなってしまって…。
『……俺のこと、嫌い?』
そんな訳ない。
好きだよ。
……何度言ったって、足りない。
好きなんかじゃ、足りない。
大好き。