【完】君ノート
でも、それを言ってしまえば、
君を困らせるかもしれない。
さくら先輩のためにも、
優くんのためにも……
もう甘えないために、
強くなるために、
私はこの気持ちを伝えてはいけない。
でも……やっぱりダメだったみたい。
『……本当のこと、教えて』
大好きな、大好きな君に、
嘘をつくなんてできない。
ポロポロと涙が溢れる。
私は首を横に振った。
〝君のこと、嫌いな訳ない〟
大好きなんだよ。
声があれば、
優くんを困らせるって分かっていても、
伝えていたかもしれない。