【完】君ノート
「私は、もう平気!恋は叶わなかったけど、三浦のおかげで私は強くなれたこら。
三浦を好きになった、佐倉 真琴だからっ!」
そのとき初めて知った。
さくら先輩の、〝さくら〟は、苗字だったんだ。
……佐倉 真琴 先輩だったんだ。
きれいな名前。
「今さらだけど、花音ちゃんのこと、応援してもいいかな?」
その言葉が嬉しくて、笑ってうなずいた。
「頑張れ……。
また、声が戻ったら、一緒に三浦の話しようね」
泣きそうになった。
私の声が戻ると、信じてくれてることが。
私は立ち上がって、先輩に強く、強くうなずくと、
前を向いて、走り出した。