【完】君ノート
「花音ちゃんっ!
私ら頑張るから、応援よろしく!!」
クラスメイトのみんなが笑ってそう言ってきた。
私は笑って、コクンとうなずく。
〝応援してるよ〟
心の声が届けばいいな。
午後の部が、順調に終わっていく。
そして、最後のプログラムに入る頃だった。
「あっ。涼太先輩だ」
さっきの競技を終えた沢田くんは、腕で額の汗を拭いながら、
私の隣に座ってそう言った。
涼太先輩って、優くんの友達だよね。
私は沢田くんと同じ視線の方を見つめた。
あっ……。
涼太先輩の横には、優くんがいた。