【完】君ノート
この小さな背中に、どれだけの悲しみと傷を背負ってきた?
〝辛い〟
そんなひとことじゃたりない。
人に捨てられた、人。
そんな悲しい存在なんて、この世にあっていいのかって……信じられなかった。
「優くん……。
ずっと、私のそばにいてくれる?」
不安で、仕方がないのだろう。
また、人を失う怖さ。
そんな悲しい思い、二度とさせない。
「いるよ。ずっと…」
俺が花音を、守りつづける。
花音の声も。
花音の笑顔も。
俺でよければ、ずっと隣で守り続けるよ。