【完】君ノート
「わっ!ごめっ!!泣かすつもりなかったんだけど…!!」
俺はあわてて近づき、女の子の顔を覗き込む。
すると彼女はふるふると首をふった。
そして顔を上げ、優しく微笑む。
めっちゃかわいくて。
やばいなぁ、この子。
とか思ってて。
急に涙ぐむからすっげー焦った。
でも良かった。
笑ってくれて。
「じゃあ…はい、これ」
俺は彼女に1冊のノートを手渡した。
今思えば、どこにでも売られてるようなノートだけど。
それでも君は嫌がることなく、むしろ嬉しそうに受け取ってくれたね。