【完】君ノート
「花音か!キレイな名前だな!」
俺は照れくさいながらも呼び捨てで呼んだ。
彼女も少し頬を赤く染め、照れくさそうに笑う。
そして1ページめくり、またシャーペンでなにかを書き始めた。
〔あなたの名前は?〕
そっか。
まだ言ってなかったな。
「俺は2年の三浦 優だよ。優しいって書いて、ゆうって読む」
俺がそう言うと花音はノートをめくり、また文字を書く。
〔優先輩。ノートありがとうございます〕
ノートに書いてある言葉だけど、本当に会話してるようだった。
まるで声が聞こえてくるかのように。
大丈夫。
君の言葉はちゃんと、俺に伝わってる。