【完】君ノート
Episode22*° 君の音
次の日。
俺は放課後、学校の花壇のところにいた。
きれいなコンクリートのところに、腰掛ける。
ここで花音と出会ったんだな……。
ぱっと空を見上げると、鳥が飛んでた。
「自由だなー……」
ポツリとそう、つぶやいていた。
どうやって、花音を助け出したらいいのか分からない。
ただ力任せに抱きしめても……守ることなんてできないんだ。
だから、まだ花音に会いに行く勇気がでなかった。
「…………花音」
今、なにを想ってる?
感情を、想いを、捨てるなよ…。
「こんなとこで、何してんの?」
そんな声がして、俺は空から視線を横にうつした。
「……佐倉」
佐倉が腕を組んで、俺を見ていた。