【完】君ノート
「鈴音は、悪くないもん……」
口を尖らせて、ポツリとつぶやく女の子に、俺は思わず微笑んでしまう。
「鈴音ちゃん。こんにちは。
可愛い名前だね?
俺は三浦 優って言います。
今日は、鈴音ちゃんとお話がしたくて、やって来ました」
しゃがみこんで、鈴音ちゃんと視線を合わせながら、そう言った。
「…………こんにちは」
意地っ張りながらも、あいさつしてくれたようだ。
「鈴音ちゃん、俺の話聞いてくれる?」
「…………いいよ」
「ありがとう……。
いきなりだけど……鈴音ちゃんは、幼稚園が嫌い?」
そう聞くと、鈴音ちゃんは首を立てに振った。