【完】君ノート
…〜♪〜♪¨。
あっ。
優くんのこと考えてたら、ピアノの音程、間違えちゃった。
「ははっ。花音でも、ミスするんだな!」
…誰のせいだと思ってるんですか。
〔私だって人ですから、間違えます〕
ノートにそう書いて、優くんに思ったことを伝える。
「そうだな。花音も俺と同じ、普通の人だもんな」
頭をポンポンっとしながらそんなこと言う優くん。
初めて男の人に頭を触られ、ドキッとした。
そして、私を普通の人って言ってくれたんだ。
みんな、喋らない私を変な目で見てくるのに。
優くんは…声のない私でも、普通に接してくれるんだね。
優しいね。
その優しさが…
私の心を温かくする。