【完】君ノート
そのことが苦痛だった。
通学してるとき、人とはできるだけ関わりたくなかった。
定期とか落としちゃっても、お礼とか言えないから。
通学することすら私にとって一苦労。
誰とも関わらないよう、いつも必死。
でも、そんな通学の時間すら、今じゃ楽しみなんだ。
放課後のことを考えるから。
早く放課後になれ。
いつも心でこの言葉を、呪文のように唱えてる。
そして今日も、そう思いながら学校の校門をくぐった。
相変わらず、周りは朝から元気な生徒のみんなが歩いている。
人だかりは苦手だけど…
「………っ」
そんな中でも、私は君を見つけれるなんて。
後ろ姿でも分かるよ。